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2025.05.20 16:15

「外資系」、イメージとリアルに乖離あり? 必要な英語レベルの実際を調査した

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エンワールド・ジャパンは、外資系企業や日系グローバル企業を中心に人材採用支援を行う人材紹介会社である。同社は日系企業から外資系企業に転職する「外資越境転職」支援の一環として、外資系企業・日系企業の従業員を対象に「外資系企業に対するイメージギャップ」についてアンケートを実施した。

以下、名古屋商科大学経営大学院(MBA)植田統教授の解説、ならびに同アンケート調査の結果を同社HPからの転載で紹介する。


「外資企業の実態」——イメージとのギャップ

調査結果は、私自身も納得できる内容が多く含まれていました。

日系企業従業員が外資系企業に対して「プロセスよりも成果が評価される成果主義」という印象を持つ一方、外資系企業従業員が「努力や協調性」を重視する環境だと回答している点が非常に印象的でした。

もともと、ジョブ型の雇用制度を採用している外資系企業は、予め職務の内容やその職務に対する条件が定められたジョブ単位で採用され、採用をした直属の上司によって人事評価がなされます。 しかし、多くの外資系企業の日本法人では、人事制度が現地に合わせて調整されていることが一般的です。 そのため、従業員の評価を行うのも外国人上司をもつ幹部クラス以外においては、日本法人のマネージャーが担当するケースが多く、外資系企業と日系企業の評価基準が完全に異なるとは一概には言えない状況です。

私の経験からも、外資系企業が規模を拡大するにつれて、日本市場、商習慣に適応する必要性が高まり、日系企業に近しい環境やカルチャーを持つと感じています。ただし、この現象にはメリットとデメリットがあることも事実です。

メリットは、外資系企業への転職に不安を抱えている方々にとって、環境への適応がスムーズになることです。その環境のもと、外資特有の社歴の長さに依らないキャリアアップのチャンス、自己成長の機会に恵まれるのであれば非常に魅力的です。

一方、デメリットに関しては、外資系企業流の合理的な仕事の進め方、パフォーマンスを上げるためのアグレッシブな姿勢に触れる機会が減少することです。

本国やグローバル拠点と関わることで結果に結びつくタスクがどれなのかを常に見直すプロセスやそのような考え方を優先するアプローチを積極的に学ぶことで、視野を広げることができます。

このような姿勢を保ち続けることで、外資系企業での経験が皆さんの貴重な財産となり、キャリアの発展に繋がることでしょう。

植田統◎1981年に東京大学法学部卒業後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。ダートマス大学エイモスタックスクールにてMBA取得。その後世界4大経営コンサルティング会社のブーズ・アレン・ハミルトン(現・PWCストラテジー)を経て、世界有数のデータベース会社レクシスネクシス・ジャパン代表取締役社長。そのかたわら大学ロースクールに通い司法試験合格。2008年からは、世界NO.1の企業再生コンサルティング会社のアリックスパートナーズでライブドア、JALの再生を担当。2014年に独立し、青山東京法律事務所を開設。現在は、社会人大学院である名古屋商科大学経営大学院(MBA)教授として企業再生論、経営戦略論を学生に講義し、数社の社外取締役、監査役を務めている。著書に『日米ビジネス30年史』(光文社)『2040年「仕事とキャリア」年表』(三笠書房)などがある。

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