自転車は道路交通法上「軽車両」に分類されるが、自動車やバイクとは異なり運転するのに免許は必要ない。けれども、来年(2026年)4月から「青切符」による取り締まりを始めることになったという。
思い返せば、2024年11月1日から施行された「改正道路交通法」では、自転車走行中の「ながら運転」や「酒気帯び運転」に対しても罰則を科されるようになった。これらの違反を繰り返した人には自転車運転者講習の受講を命令できる道交法施行令の改正もされた。その際に、2年後をめどに自転車運転に関しても「青切符」が導入されることはすでに決まっていた。
その導入時期を2026年4月1日とし、反則金の額が定められた改正道路交通法施行令が2025年6月17日に閣議決定されたばかりのため、まずは自転車運転での「青切符」の反則金の額を確認しておこう。

反則金は「ながらスマホ」で1万2000円
「青切符」は、正式名称を「交通反則告知書」という反則金制度のことで、軽微な交通違反に対して反則金を納付することで刑事手続きを免れる制度だ。
交通違反をすると、場合によっては刑事罰を受けかねないが、青切符で反則金を納めれば刑事罰を科されず、前科は付かない。
もともと青切符は、自動車や原付き・普通自動二輪などのバイクを含む車両に対して導入されたもので、「軽微な違反」に適用される枠組みだったが、これまで自転車に関しては適用がなかった。
つまり、自転車事故に関しては、すべて刑事責任を問われることになっていたため,悪質な違反の場合でなければ警察も摘発を躊躇しがちな側面があったようだ。そのため、今回の青切符の適用開始によって、警察としては違反行為を迅速に処理でき、違反者側も刑事手続きを省略できるメリットがある。
なお、現在は、信号無視や一時停止違反、右側通行などの悪質な違反に関して2022年10月から「赤切符(交通切符)」を交付するなど取り締まりを強化してきている状況で、来春からの「青切符」の適用以降も、酒気帯び運転や酒酔い運転など悪質な違反は、これまで通り、刑事罰の対象となる交通切符の「赤切符」で対応される。
さて、自転車を含む軽車両についての青切符では、信号無視や一時不停止といった「現認可能な明白で定型的な違反行為」が対象とされる。その数は113種もあり、とても覚えきれないが、歩道の徐行義務違反など自転車の固有違反行為の反則金について、主なものを図表1にまとめた。
携帯電話を使用しながらの運転で1万2000円、信号無視なら6000円、2人乗り運転では3000円だ。取り締まりは16歳以上を対象とする。