宇宙

2025.07.15 17:00

ペルセウス座流星群が始まり、幽玄な月が昇る 土星にも注目したい今週の夜空

薄明の空に輝く地球照を伴った細い月と、おうし座のプレアデス星団(Shutterstock.com)

薄明の空に輝く地球照を伴った細い月と、おうし座のプレアデス星団(Shutterstock.com)

7月も中旬となり、夏の天体観測シーズンも本番を迎えた。夜は長く、心地よい風を浴びながら星空を満喫できる。今週、月は深夜の空を優雅に滑るように移動し、週半ばに土星とランデブーする。週明け月曜日の未明には細い月とおうし座のプレアデス星団との共演が待っている。7月を折り返す1週間の夜空の見どころを紹介しよう。

7月16日(水):月と土星が並ぶ

夜遅く、月齢20.7のややふっくらした半月が土星と並んで昇ってくる。真夜中ごろに東南東の空の中ほどを見ると、2つの天体が仲良く隣り合って輝いているだろう。土星は黄色っぽい落ち着いた光を放っている。

2025年7月17日(東京:午前0時ごろ)の東南東の空(Stellarium)
2025年7月17日(東京:午前0時ごろ)の東南東の空(Stellarium)

大きな環を持つこの惑星は、9月21日に地球から見て太陽とちょうど反対側の位置にくる「衝(しょう)」を迎え、最も大きく輝く最高の見ごろを迎える。それまで少しずつ明るさを増していく様子を楽しんでほしい。

7月18日(金):下弦の月とペルセウス座流星群

夜半に下弦の月が昇る。つまり、今宵以降しばらくの間は、月明かりに妨げられずに夜空を眺められる時間が伸びていくということだ。折しも17日夜にペルセウス座流星群が活動期に入るため、流れ星を見たい人にとってはうれしいタイミングといえる。

2025年7月18日(東京:午前0時ごろ)の北東の空、ペルセウス座流星群の放射点の位置(Stellarium)
2025年7月18日(東京:午前0時ごろ)の北東の空、ペルセウス座流星群の放射点の位置(Stellarium)

最も多くの流星が出現する極大夜は8月12日夜~13日未明だが、今年は非常に明るい月が夜通し空を照らしているため、ほとんどの流星が月光にかき消されてしまう。むしろ7月中のほうが、月のない夜空でペルセウス座流星群の散発的な流星を見つける楽しみを味わえる。真夜中過ぎに北東の空を見上げ、根気よく待とう。

7月21日(月):細い月とプレアデス星団

2025年7月21日(東京:午前3時50分ごろ)の東の空(Stellarium)
2025年7月21日(東京:午前3時50分ごろ)の東の空(Stellarium)

まだ空が暗いうちに早起きして、日の出の約1時間~45分前に東の空を見上げてみてほしい。今月屈指の美しい夜空の眺めがそこにある。月齢25.7の細い月が、おうし座のきらめく散開星団、プレアデス星団(すばる)を追いかけるように昇っていく。月は、影になっている部分が地球の海や氷冠、雲に反射した太陽光に照らされて幽玄な光をまとう「地球照」と呼ばれる現象を伴っているだろう。

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forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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