経営・戦略

2025.06.04 09:15

パン屋さんの7割が梅雨の季節に心が折れる

プレスリリースより

プレスリリースより

5月から6月の梅雨の季節になると、パンの売り上げが減る。そのほかの時期にくらべて、売れ残って廃棄せざるを得なくなるパンの量が1.4倍になるということだ。丹精込めて作ったパンを捨てることが精神的な負担となるパン屋さんが約7割。米騒動の陰でパン屋さんはパンのフードロス「ロスパン」の辛い時期を迎えようとしている。

パンの通信販売と廃棄ロス削減サービスrebake(リベイク)を運営するクアッガは、事業を通じて梅雨の時期にパンが売れなくなるというパン屋さんの声を多く聞いていた。そこで、rebakeに登録しているパン屋さん100件を対象に、梅雨の時期のロスパンに関するアンケート調査を実施したところ、じつに8割を超えるパン屋さんが梅雨のロスパン増加を訴えた。

雨天による経営への影響は約9割のパン屋さんが実感している。もちろんこれは、薄利多売のパン屋さんにとって危機的な状況なのだが、約7割がパンロスに対して精神的な負担を感じていることもわかった。一生懸命に作ったパンが売れ残ったときの精神的ダメージは非常に大きいという。

パン作りはただでさえ高い技術を要し、手間と時間がかかるため利益率が低く、儲からない商売とされている。好きでなければやっていけない。それだけに、こだわりのパンを泣く泣く捨てる辛さは人一倍だ。

ロスパン増加の原因を尋ねると、9割以上が悪天候で外出を控えるためだと答えた。事実、約半数が1〜2割、約3割が3〜5割、客足が減るということだ。また約3割は食欲の低減をあげている。梅雨になると湿度の影響でパンを食べたいと思う人が減るというのだ。

こうしたパン屋業界の問題に対処すべく、rebakeは売れ残った街のパン屋さんのパンを集めて冷蔵または冷凍にしてネット販売するサービスを提供している。これなら、全国の人気パン屋さんのこだわりパンが楽しめるという付加価値が付く。当然、パン屋さん自身もフードバンクへの寄付など独自の努力を惜しんでいない。雨の日の割引セールもそのひとつだ。この時期、雨の日はパンのお買い得の日かもしれない。近くのパン屋さんをチェックしてはどうだろう。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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