WWDC 2025(日本時間6月10日午前2時開始予定)で発表される次期macOSに合わせ、アップルは複数の旧型デスクトップ型MacとMacBook Airのサポートを終了する。これにより、最新macOSを実行できるインテル搭載Macはごくわずかとなり、2019年以降のMacBook Pro、2020年以降のiMac、2019年以降のMac Proだけが対象になる見込みだ。
もちろん、Appleシリコン搭載のMacはすべてサポート対象である。
旧型MacBook Airユーザーが失うもの
次期OSはmacOS 26(愛称は「macOS Tahoe」の見込み)に改称されるという。消費者にとって最も大きな変化はUIであり、機能面よりもデザインが大幅に刷新されるといわれている。
新機能としては、一連の「アクション」を設定してタスクを自動化できる小規模マクロ的アプリ「Shortcuts(ショートカット)」が追加される。その一方で、Siriや生成AIといった機能は発表時に大きな注目を集めない可能性が高い。アップルは成長する生成AI分野における存在感を模索し続けているが、2024年のWWDCで掲げた公約は未だ果たされておらず、さらなる大きな公約を重ねるのは難しいだろう。
最大の変化はデザインだ。デスクトップ型Macは従来のmacOSらしいデザインから離れ、拡張現実用OSであるvisionOSへと近づく。これはiPhone、iPad、Macの各OSが、Apple Vision Proに見られる空間コンピューティングデザインへ統合されつつある流れと一致している。
旧型ハードウェアがこの変化に付いていけないのは驚くことではない。
サポート対象外となるMacBook Airモデル
プロフェッショナル向けのインテル搭載Macが引き続きサポートされるであろ一方で、コンシューマー向けのインテル搭載MacBook Airは対象から外されるという。
インテルのCoreチップセットの処理能力が比較的低く、生成AIといったCPU負荷が高い技術が現代のコンピューティングに課す要求が大きいことを踏まえると、MacBook Airはついにアップルが描く最新OSのビジョンを受け入れられない限界に達した。2020年モデルのMacBook Proでさえ苦戦が予想され、今回が最後のアップデートになると覚悟すべきだ。
M1搭載MacBook Airの底力
こうした状況は、アップルがMac全ラインにAppleシリコンを導入した決断の正しさを示している。2020年、M1チップの高い性能によりエントリーレベルのMacBook Airはインテル搭載モデルを大きくリードした。その優位性は現在、小さくなっているが、新macOSはこれらM1世代の旧機種を完全にサポートする。
時間はかかったが、ティム・クックCEO率いるアップルは、インテルへの依存とmacOSで2つのプラットフォームを維持するために必要だった過剰なリソースから解放されつつある。あと1年もすれば、同社は自社プラットフォームに100%集中し、その利点を最大限に活用できるようになる見通しだ。