現在、すべてのメールアカウントが攻撃にさらされていることに疑いの余地はない。しかし、Gmailアカウントは、「圧倒的にユーザーが多い」というわかりやすい理由から、ずっとハッカーの攻撃対象リストの筆頭にある。
サイバー犯罪者であるハッカーは「数の論理」で攻めることを何よりも好むため、グーグル自身が25億人のアクティブなGmailユーザーがいると公表していることもあり、Gmailは非常に大きな標的となっている。このため、不安を抱えたユーザーから「Gmailアカウントがハッキングされた」という報告がオンラインフォーラムに寄せられ続けているのも当然だ。
私たちは、特にGmailユーザーを標的とした巧妙化した、AIを利用した脅威を目の当たりにしてきた。だが、これに対抗するために、Gmailアカウントが攻撃を受けにくい状態にする方法がある。ただし、今すぐ行動しなければならない。
本稿では、Gmailユーザーが知っておくべきこと、そして行なうべきことをまとめる。
今すぐ行動を──Gmailへのハッキング攻撃を軽減する3つの簡単なステップ
まず最初に1つはっきりさせておきたいことがある。それは、Gmailアカウントがハッキング攻撃から100%の安全を保証してくれる特効薬は存在しないということだ。
残念ながら、そのような保証をするには脅威となる変数が多すぎる。そのため、「それが可能だ」と主張する者は誰であれ、誠実ではない。とはいえ、サイバー犯罪者に屈するリスクを軽減するのに役立つ方法がないわけではない。
実際には3つある。ここに挙げる3つの方法は、私の経験上、現在広がっているGmailへの攻撃脅威全般に対して大きな効果を上げているものだ。
1. パスワードをパスキーに置き換えよう。今すぐに
グーグルは、今こそGmailパスワードをパスキーに置き換えるタイミングだと明言している。既存のパスワードを新しいパスワードに置き換えても、従来のソーシャルエンジニアリング(人間の心理的な隙を突いた攻撃手法)や流出したパスワードを使った不正ログイン試行の脅威にまた曝されるからだ。
グーグルのプライバシー、安全性、セキュリティ担当バイスプレジデントであるエヴァン・コツォヴィノスは「私たちはパスワードを完全に排除したいと考えています。同時に、サインインを可能な限り簡単なものに保ちたいのです」という。