普段なら学校に行っている子どもたちの面倒を一日中見なければならない夏休みを、負担に感じる親は多い。おもに家事を取り仕切っているお母さんだ。そんなお母さんたちに、夏休みの家事分担に関する本音を聞いた。
ベビーシッターと家事代行のマッチングプラットフォーム「キッズライン」は、0〜17歳の子どもを持ち、夫婦またはカップルで子育てをしている163人を対象にアンケート調査を実施した。それによると、お互いに夏休みの家事の分担について話し合っている、または話し合う予定だと答えた人は約20パーセント。話し合ってはいないが互いに協力し合って回っているという人が約33パーセント。合わせて約53パーセントがパートナーとの協力体制ができていることがわかる。しかし、話し合いはなく、自分で対応していると答えた人が約43パーセントと非常に多かった。

女性からは、「夫は普段と変わらず何も気にすることがない」、「夏休みだろうが家事が増えることをまったく意識していない」、「子どもが家にいる時間が長くなると家事が増える想像すらしてくれない」などと厳しい声が聞かれた。

夏休みにもっとも負担に感じる家事を聞くと、ダントツで1位だったのが「子どものお昼ごはん作り」だ。次が「食事回数にともない増えた食器の洗い物」で、これも「ごはん作り」に含めていいだろう。同時にこれらは、夫にいちばん手伝ってほしい家事でもある。
ごはん作りの大変なところをたずねると、1日に何度も作らなければならないこと、献立を考えるのが難しいことなどがあげられた。家族に食事の準備をしたことがない人は、週に2回でも夕飯を担当してみるといい。かならず今日は何を作ろうかと悩むようになる。そこで「何が食べたい?」と家族に聞く。そして家族から「なんでもいい」と気のない返事をされる。それならと昨日の残りを出せば「またこれかよ」と文句を言われてキレる。妻の「何が食べたい?」の質問の深さを身をもって理解できるいい機会になる。

今どき「オレは外で仕事をしているのだ!」などと威張る夫は少ないだろうが、お母さんも外で仕事をしたうえですべての家事をやっている。言うまでもなく家事には1年中休みがない。多くの主婦たちからは、ごはん作りの負担を減らす工夫として、スーパーのお惣菜やお弁当を活用するなどの案が聞かれた。家族が文句を言おうが、それくらいする権利はある。もし夫の理解が得られないなら、そんな人間に育たないよう、夏休みは子どもたちに家事を手伝わせるのがいいかもしれない。