アマゾン創業者のジェフ・ベゾスと元ジャーナリストのローレン・サンチェスの結婚を祝うイベントが6月26日、イタリア北部のベネチアで始まった。しかし、豪華な内容が予想されるこの催しには地元住民から怒りの声が上がり、すでに一部の計画が変更を余儀なくされている。
この結婚パーティは28日まで続く予定で、費用は数千万ドル規模とされている。抗議活動を非難するベネチア市のルイジ・ブルニャーロ市長は現地メディアに対し、「この結婚式はわが市に数百万ユーロの経済効果をもたらす」と述べている。
CNNによると、ベゾスとサンチェスがいつ正式に結婚するのか、あるいはすでに結婚したのかは不明という。ブルニャーロ市長の広報担当者は、市の当局に正式な結婚申請は提出されていないと述べており、このイベントはセレモニー的なものにとどまる可能性がある。
また、この結婚式は、オーバーツーリズムやベゾスのトランプ大統領との関係に反発する地元住民による妨害に直面する可能性がある。そのため、ベゾスは披露宴の会場を、当初の予定の市の中心部から郊外のアルセナーレと呼ばれる港湾地区に変更したと報じられている。
結婚式が行われる場所は明らかになっていないが、CNNは、悪天候や抗議活動による妨害に備えて複数の会場が確保されたと報じている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、ベゾスとサンチェスは、27日にベネチアのサン・ジョルジョ・マッジョーレ島で挙式し、28日に中世の造船所跡地のアルセナーレで披露宴を行う予定という。
市長の広報担当者は3月のCNNの取材に、結婚式がベゾスの5億ドル(約720億円)のスーパーヨット「コル」で行われる予定だと語っていた。しかし、全長が約127メートルのこのヨットは、サイズが大きすぎてベネチアの大運河には停泊できないという。一方、地元の抗議団体「ノー・スペース・フォー・ベゾス」はBBCに対し、結婚式が歴史的建造物のミセリコルディア修道院教会で行われると語っている。
激化する反対運動

ベネチアの一部住民は、今回の大規模な結婚式が長年のオーバーツーリズムの問題をさらに悪化させると抗議し、街中に反対運動のポスターを掲示している。「ノー・スペース・フォー・ベゾス」の活動家、フェデリカ・トニネッリはロイターに対し、この結婚式は「外部の者たちによる都市の搾取の象徴だ」と語った。バラエティによると、活動家たちは結婚式の出席者が市内の会場に到着できないよう、運河や市街地の通行を妨害すると警告している。