経営・戦略

2024.05.15 12:00

ウーバー、料理宅配「フードパンダ」の台湾事業を1500億円で買収へ

木村拓哉
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Photo by Miguel Candela/Anadolu Agency via Getty Images

ウーバー・テクノロジーズは米国時間5月14日、ドイツ企業のデリバリーヒーローが展開するフードデリバリー事業、フードパンダの台湾事業を現金9億5000万ドル(約1490億円)で買収すると発表した。この買収が実現すれば、半導体分野を除く台湾の事業買収としては、過去最大級のものとなる。

ウーバーとデリバリーヒーローは台湾のフードデリバリー市場における2大勢力であるため、買収は2025年初頭までに同国の規制当局から承認を受けられることが条件となる。今回の買収は、この市場のリーダーとして強力なポジションを確保し、アジアで事業拡大を目指しているウーバーイーツにとって大きな投資となるとブルームバーグは報じている。

台湾の公正取引委員会で副委員長を務める陳志民は、買収の認可は、合併に関与する企業が競争を妨げたり排除するためにその地位を乱用しないことが条件となると述べている。この2社の台湾における市場シェアは非常に高く、合計で80%のシェアを獲得しているため、独占に関する懸念が高まると現地メディアが報じたことを同副委員長は指摘した。

アジア市場は、デリバリーヒーローにとって最大の市場であり、2023年には40億ドル(約6258億円)の収益を上げ、同社の総収入の36%を占めていた。フードパンダは5月上旬、デリバリーサービスに集中するため、台湾で5年間運営してきたバーチャルスーパーの「パンダマート」を月末までに閉鎖すると発表していた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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