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2024.04.26 12:30

ウォール街とAI、急速に進化・増加する活用事例

安井克至

ヘッジファンドとプライベートエクイティがAIを活用する主な方法

プライベートエクイティ(PE)企業間の競争が激化する中、彼らは投資機会を特定するための革新的なアプローチを模索している。これには、AIを活用したアルゴリズムを活用して、特定の基準に基づいてさまざまなチャネルを精査し、エクイティ投資に理想的な企業一覧を効果的に作成することが含まれる。これにより、企業は人的ネットワークに頼るだけでなく、積極的に案件を探すことができる。

AIはまた、企業のパフォーマンスに関するデータを分析し、大規模で複雑なデータセット、市場の雰囲気、ウェブトラフィック、ソーシャルメディアの活動から、相関関係とパターンを見つけ出し、潜在的な投資対象を順位付けし、優先順位をつけるのにも使われる。

この技術は、ポートフォリオマネージャーが洞察を深め、決算報告書を分析し、トレンドを予測し、急速に動くトレンドを発見するのに役立ち、マネーマネージャーがより情報に基づいた投資判断を下せるようにする。最後に、市場環境をシミュレーションしてトレーディング戦略をテストすることができる。

AIの導入によるデメリット

AIの導入は、金融業界の雇用にとって諸刃の剣である。一方では、データエンジニアリング、機械学習、AIガバナンスなどの分野で新たな役割が生まれると期待されている。金融機関はすでに、こうしたAI関連の職種を積極的に採用している。Evident(エビデント)の「AIタレントレポート」によると、2022年10月から2023年3月までの銀行業界の採用の40%がAI関連の職務だった。

他方、AIは世界全体で最大3億人の仕事を自動化または減少させると予測されており、その中には管理サポート、法務、財務業務などの銀行の職種も含まれる。これにより、金融サービス業界では大規模な雇用喪失と多くの専門家の再教育の必要性が生じる可能性がある。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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