2024.04.23

能登半島地震で訪日観光に意識変化 北陸地域への関心アップも

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日本は地震国であり、大小にかかわらずいつ地震が起きてもおかしくない。そのため、訪日旅行をしたいという人は地震があるかもという意識はあると思うが、今年1月1日に発生した令和6年能登半島地震は、能登半島を中心に大きな被害を受け、4カ月近くたった今も、もとの生活を取り戻す努力が続いている状況を報道を通じて目にすると、訪日旅行したいという意欲は薄れてしまうかもしれない。

コロナ禍が空けてようやく訪日観光客が復活してきたものの、地震によって訪日旅行への影響があるのかどうか、JTB総合研究所が12の国・地域で調査している。

それによると、訪日旅行をしたいという人は、12の国・地域全体で71.9%。特に東南/南アジアが82.0%ともっとも関心を持っているという結果になった。欧米豪では60.0%と少し低い結果となっているが、20代は68.0%と7割近いので、若い人ほど関心があるようだ。

「関心があって、行きたい」と回答した人にのと反動自身による訪日旅行、北陸地域への訪問について聞いたところ、「ここ1~2年は日本旅行を控えたくなった」が全体で23.8%いたものの、「地震のニュースで北陸地域を知り、関心を持った」が26.3%、「北陸地域を旅行する際の、現地の状況についてもっと知りたいと思った」も27.7%といずれも上回っている。また、欧米豪は「特にない」が30.7%でもっとも多く、他の地域に比べ気にしないという人が多い傾向にあった。

訪日旅行でしてみたいことを聞いてみると、「自然景観を楽しむ」「本場の日本料理を食べる」「日本の伝統的な郷土料理を食べる」がいずれも50%以上で、ついで「温泉」「日本文化の体験」が続いている。地域別で見てみると、東アジアは食への関心が高く、東南/南アジアはファッションやコスメ、欧米豪は日本文化への関心が比較的高いようだ。


能登半島地震によって、訪日旅行を控える人も2割程度いたものの、地震の報道で北陸に興味を持った人も多く見受けられるため、観光に訪れてお金を多く落としてくれることで、復興の助けになるかもしれない。北陸新幹線も延伸され、これまで以上に行きやすくなっており、これから夏にかけて訪日観光客が多く訪れることを期待したい。

出典:JTB総合研究所「令和6年能登半島地震と訪日旅行への意識12か国・地域調査」より

文=飯島範久

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