宇宙

2024.04.16

「悪魔の彗星」が輝き、木星が天王星に大接近 今週の夜空

ポン・ブルックス彗星(12P/Pons-Brooks)。スペイン南部のアンダルシア自治区モクリネホで2024年4月3日に撮影(Getty Images)

4月は星空観賞に最適だ。西の空にはオリオン座、ふたご座、おうし座などの明るい冬の星々を見ることができる。これらの星はまもなく空からいなくなってしまうので、今のうちにしっかり見ておこう。その下の地平線近くには木星が、そして今週最も明るくなるポン・ブルックス彗星(12P/Pons-Brooks)がある。

今週の星空観賞と天文について知っておくべきことを以下に記す。

4月16日(火曜日):上弦の月とふたご座

この日、月は上弦となり地球から見て半分が照らされている。南の空に昇った半月の下には、ふたご座の明るい恒星であるポルックスが、そしてその上には「ふたご」のもう片方であるカストルがある。ポルックスとカストルは、それぞれ太陽系から34光年と51光年離れており、夜空で18番目と25番目に明るい恒星となる。

4月18日(木曜日):月とレグルス

18日の夕方、輝面比74%の満ちていく凸月(半月と満月の間)が、しし座の最も明るい恒星であるレグルスと接近する。「ライオンの胸の星」を意味するレグルスは、夜空で23番目に明るい恒星だ。

4月21日(日曜日):木星と天王星が重なる

この日、巨大惑星の木星が天王星と大接近する。木星よりずっと暗い天王星の小さな「縦の輪」を見るためには少なくとも双眼鏡が必要だ。ポン・ブルックス彗星もすぐ近くにある。

ポン・ブルックス彗星が近日点に

12番目に確認された彗星で、ハレー彗星とほぼ同じサイズのポン・ブルックス彗星は「悪魔の彗星」とも呼ばれている、毎日地平線に向かって低くなっていき、4月21日に太陽に最も近くなる近日点を通過する。見るためには地平線近くの開けた空と双眼鏡が必要だ。

ポン・ブルックス彗星とさんかく座銀河(Shutterstock.com)

ポン・ブルックス彗星とさんかく座銀河(Shutterstock.com)

今週の星座:しし座

日没後の東の空に昇るしし座は、ライオンの形をした明るくて見つけやすい星々の集団だ。まず、前足であるレグルスを、次に尾の先となるデネボラを見つけよう。どちらも太陽に比較的近く、レグルスが79光年、デネボラが36光年の距離にある。

しし座を観察している時、あなたが見ているのは天の川銀河の外側の深宇宙だ。2つの恒星の間には、M96銀河群(しし座銀河群)がある。地球から約3000万光年離れた9つの銀河からなっている。

今週の恒星:ウォルフ359

しし座を構成するウォルフ359は、地球に最も近い恒星の1つでわずか7.9光年の距離にある赤色矮星だ。あまりに地球に近いため、背景の星々に対して位置を変えるように見える数少ない恒星でもある。

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forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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