2024.04.16 16:00

トヨタが新型「4ランナー」を米国で発表、ハイラックスサーフの系譜を継ぐSUV

安井克至
先代と同じく新型4ランナーも、中型ピックアップのタコマの最新世代とパワートレインを含めて多くを共有している。トヨタ車でますます多く使われるようになっている2.4リッターのガソリン直列4気筒ターボは、第6世代の4ランナーのボンネット下にも搭載される。スタンダードな「i-Force」版は最高出力278hp(281ps)と最大トルク317lb-ft(430Nm)を発生する。ハイブリッドの「i-Force Max」には1基の電動モーターと容量1.87kWhのニッケル水素バッテリーが追加され、合計で最高出力326hp(330ps)、最大トルク465lb-ft(630Nm)を発揮。牽引能力は5000ポンド(約2268kg)から6000ポンド(約2722kg)に向上する。

どちらのパワーユニットも同じ8速オートマチック・トランスミッションが組み合わされる。これもタコマやランドクルーザーと同様だ。駆動方式は先代と同じく、後輪駆動、パートタイム式4輪駆動、フルタイム4輪駆動の3種類から選択できる。4輪駆動はどちらも2速トランスファー(副変速機)と、トヨタのアクティブトラクションコントロールが備わり、タイヤが空転した際に最もグリップする車輪に駆動力を配分する。オートLSDは全車に標準装備される。

新型4ランナーの「TRDオフロード」と「TRDプロ」、そして新たに設定される「トレイルハンター」モデルには、電動リアデフロックも装備。「プレミアム」仕様にはセンターデフロックも標準装備されるが「リミテッド」ではオプションとなる。
2025年型トヨタ 4ランナー (Toyota)

2025年型トヨタ 4ランナー (Toyota)

4ランナーに新採用となったのが、スイッチ操作でフロントのスタビライザーの結合と分離を切り替えられる「SDM(Stabilizer with Disconnection Mechanism)」だ。舗装路ではスタビライザーを結合させて操縦安定性を高め、悪路走行時には切り離すことによって、前輪の接地性を向上させることができる。

新型4ランナーは、先代と比べて、ホイールベースが2.4インチ(約60mm)伸び、全長は4.7インチ(約120mm)長くなった。オーバーハングが長くなったということは、アプローチアングルとデパーチャーアングルがわずかに下がるということだ。先代の4輪駆動モデルがそれぞれ33度/26度だったのに対し、新型は32度/24度となっている。しかし、それでもタコマと比べると新型4ランナーのホイールベースは20インチ近く(500mm)も短いため、ランプブレークオーバーアングルはずっと大きく、オフロードでは有利になる。

トヨタの他のオフロード車や近年発売されたほとんどの競合車と同様に、4ランナーも走行路面に合わせてドライバーがモードを切り替えることができる「マルチテレインセレクト」システムを搭載する。MUD(泥濘路)、SAND(砂地路)、DIRT(未舗装路)などの各モードは、それぞれ路面の状況に合わせて駆動力制御が最適化される。この機能は4輪駆動トランスファーがハイ(4H)とロー(4L)のどちらでも作動する。「クロールコントロール」は悪路走行時にエンジン出力とブレーキを自動的に制御し、ドライバーは凹凸の多い場所を走破する際に障害物を避けるためにステアリング操作に集中できる。
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翻訳=日下部博一

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