ヘルスケア

2024.04.14 14:00

「長女」にばかり大きなプレッシャーがかかってしまう理由

安井克至
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JSTORに掲載されている記事は、成長した子どもたちの間での家事の性別による分担を理解するうえで、初期の社会化と状況要因の役割について説明している。調査結果は、子ども時代に見た親の労働分担が、後の日常的な家事への取り組みに影響を与えることを示唆している。また、母親のロールモデルが娘たちの家事労働に対する態度や行動に与える影響についても強調しており、仕事と家庭の責任をバランス良くこなす母親の例が、娘たちの家庭内の役割に対するアプローチに長く影響を与えることを示している。

2. 兄弟関係

役割モデル理論によると、両親の家事分担と就業状況は、子どもたちが行う家事と自分の責任をどのように認識するかに直接影響を与える。たとえば、両親が家事を平等に分担していれば、子どもたちは家事を共有の義務と見なし、平等に参加する可能性が高くなる。逆に、一方の親が仕事に専念し、もう一方の親が家事を担当するという伝統的な性別役割分担の家庭では、子どもたちも同じような役割を引き受けることになる。

多くの家庭では、長女は育児や兄弟への情緒的サポートなど、介護者の役割を担うことが期待されている。最初は義務感や愛情から始まったこの責任は、すぐに重くのしかかるようになり、恨みや欲求不満につながる。さらに、出生順位、性別役割、個人の性格によって影響を受ける兄弟関係のダイナミクスが、事態をさらに複雑にする。長女は、弟や妹に押しのけられていると感じたり、両親から不平等な扱いを受けていると感じたりして、無視されている感覚や不適切感が強まり、兄弟関係がぎくしゃくする。

3. 社会的圧力

社会規範や文化的伝統は、性別の役割と期待を強化し、女性は自分の願望よりも家族の義務を優先すべきだという考えを生きながらえさせている。この社会的圧力は、伝統的な性別役割に従い、家族のために自分の野望を犠牲にすることを強いられる長女に重くのしかかる。
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翻訳=酒匂寛

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