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2024.04.16

台湾TSMCの熊本工場進出、関連取引先はどこに

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日本の国内生産による半導体事業は停滞の一途をたどっていたが、ここに来て活性化している。その1つの要因が熊本に工場を建設した半導体受諾生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の進出だ。帝国データバンクは、日本におけるTSMC関連取引企業を調査。TSMCと関連の深いソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(SCM社)、ソニーセミコンダクタソリューションズ(SCM社)も合わせて調査している。

それによると、これら3社と取引を行っている企業は、全国で471社あることが判明。2年前より44社も増えている。このうち、取引先別では、TSMCグループを取引先とする企業が74社。ソニー半導体と取引を行う企業が412社だった。また、両方の企業と取引する企業も15社ある。

業種別でいくと製造業が152社で、2年前より8社の増加。卸売業も11社増加した。最も増加したのはサービス業で2年前に比べて22社の増加。「受託開発ソフトウェア」や「労働者派遣」「機械設計業」が多く、設計・開発業務の受託、技術セールスパーソンなどの人材派遣が目立っている。

取引先の地域をみると、最も多いのが関東で229社。九州は153社で2番目に多く、他の地域を圧倒している。ただ、増加率でいくと関東のほうが35社増と多く、九州は6社増に留まっている。

TSMCの熊本進出によって、地元の経済効果は非常に高まっているが、九州の企業との取引はあまり伸びていない。熊本だけでなく九州全体が活性化されるかは、半導体産業に関連したサプライチェーン網への参入障壁をいかに取り除けるかが、今後の発展のカギを握ってするとしている。

出典:帝国データバンク「TSMC日本工場進出に関わる取引先調査」より

文=飯島範久

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