スタートアップ

2024.04.06 08:00

ソフトバンクも出資する英新興企業、「収益水増し」で投資家から提訴

木村拓哉
2006
インフォグリッドは、2023年1月に約80人の従業員を解雇した後、4月のシリーズBラウンドで株式の割り当てと借入を合わせ9000万ドル(約136億円)を調達した。同社に出資するある投資家によると、このラウンドの大部分は、新たな資本ではなく、すでに発行された転換社債型ローンノートのスワップによるものだったという。デ・グルーチこのラウンドに関する取材を行ったテッククランチに対し、同社が2022年に5倍の成長を遂げたと語っているが、その際、売上高の開示は避けていた。

Kストリートキャピタルは、デ・グルーチが合併の完了後になって2022年の売上がわずか1510万ドル(約22億円)だったことを明かしたと述べている。しかし買収の交渉中、投資家向け資料の中に書かれた売上は5580万ドル(約84億円)だった。

買収に先立つデ・グルーチの予測によると、インフォグリッドの2023年の売上高は2億6100万ドル(約395億円)に達する見通しだったが、この予想は大幅に外れた。デ・グルーチは1月、投資家に対し合併後の昨年の売上がわずか1510万ドル(約22億円)だったと報告。一方、Kストリートキャピタルは訴状の中で、買収される側のアクィコアの年間売上は、買収前で700万ドル(約10億円)だったと述べている。

英国の当局への提出書類によると、デ・グルーチは2023年にインフォグリッドのCEOを辞め、2024年2月には取締役も退任していた。

Kストリートキャピタルはまた、アクィコアのアダムズCEOが、取引成立時に支払われる数百万ドルのボーナスを受け取るために、インフォグリッドの収益が水増しされていることを知っていたにもかかわらず、取引を推進したと主張している。

フォーブスはこの件についてデ・グルーチにコメントを求めたが、現時点で要請に応じていない。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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