キャリア

2024.04.07 09:00

仕事で迷ったら「すべての船」を燃やせ、ただし「橋」は燃やすな

安井克至
企業がこの考え方を取り入れれば、人としての自然な欲求に基づいて成長を優先することが可能になる。入念に練られた開発イニシアチブに投資することで、組織は活力に満ちたビジネス環境の中で継続的改善、適応性、レジリエンス(困難を乗り越え回復する力)を確保できる。

キャリアアップに役立てるには

このアプローチは、大胆さ、忍耐力、そして困難や不確実性に直面しても尽きない情熱で成功を追求する心を鼓舞する。キャリアアップを実現して成功を手に入れるために「すべての船を燃やす」考え方を取り入れたいなら、次の手順を踏もう。

・キャリア目標と願望に全身全霊を尽くす

・決意とレジリエンスをもって困難に挑み、障害を挫折ではなく成長と学習の機会ととらえる

・居心地のよい環境から一歩踏み出し、たとえ不確実性や不快感をともなうものであっても、キャリア目標に沿ったリスクを承知で挑戦することを厭わない

・継続的な学習と改善を心がけ、自分のスキルや知識、専門性を高める機会を追求する

よくある誤解

「すべての船を燃やす」考え方は、結果を考慮せずに無謀なリスクを取りに行くことだと誤解されがちだ。だが、これは衝動的な行動を推奨するものではない。実際は、明確な戦略的ビジョンにしたがって想定内のリスクを取ることを奨励するものだ。

また、この考え方を受け入れるのは、緊急時の対応策や補助的な選択肢をまったく用意しないことと同義だという誤解もある。断固とした覚悟は極めて重要ではあるが、不測の事態に備えた計画立案が効果的なリスク管理と準備に不可欠であることに変わりはない。

「すべての船を燃やす」には、他の何もかもを犠牲にして1つの目標だけに集中することが求められるという誤解もあるかもしれない。だが本当に求められているのは、第一の目標を優先しつつ、フィードバックや状況の変化に応じて戦略を調整できる柔軟さである。

仕事で「橋」は燃やすな

「船を燃やす」と同じ意味で使われる「橋を燃やす(burn your bridges)」という英語の慣用句にがあるが、職場では橋を燃やしてはならない。離職したり新しい機会に移ったりする場合でも、前向きな人間関係やつながりを維持しておくべきである。

同僚、上司、雇用主と仕事上のネットワークや好意、信頼関係を維持し、将来の機会や紹介先を確保したいものだ。橋を燃やさなければ、再雇用・紹介・人脈作りの機会や業界内での好意的な評判を保てる可能性がある。

キャリアの転換期を乗り切る上では、プロ意識、誠実さ、関係構築が重要だということだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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