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2024.04.02 13:00

ADHDをメリットとして捉え、仕事の効率をアップする方法

木村拓哉

ADHDの人が集中力を高める方法

ADHDは素晴らしい強みになり得るとわかった今、それをチームメンバーに伝えることで、チームにどのような恩恵があるかを理解してもらうことができる。しかし、同じくらい重要なのは、これらの素晴らしい力が弱点にならないよう、うまく利用する方法を知ることだ。それについてのいくつかの戦略を紹介しよう。

1) タスクは、グループにまとめて小さく分割する

ADHDの人は、小さなタスクを好む傾向がある。似たようなタスクをグループにまとめ、1時間あるいは30分以内に完了できる小さな塊に分けるといい。タスクが大きすぎて処理できそうもなければ、2つに分ければいい。同じグループのタスクを2つ同時にこなすマルチタスクもおすすめだ。

2) 一日を通してルーティンに従う

始まりと終わりの時間を決め、残務に優先順位を付け、タイムボックスや時間管理アプリを使って一日の計画を立て、アラームを設定しよう。


3) 過集中を管理する

過集中できるのは素晴らしいことだが、必要ではない仕事をしたり、細かいところにこだわりすぎたりして、時間を忘れてしまうことがあるはずだ。過集中の原因になるものをメモしておき、休憩を思い出すために、大音量のアラームをセットしたり、視覚的なタイマーを活用したりしよう。


4) 注意散漫を管理する

ADHDの人は環境に敏感で、自分の耳に入る音や、周りにあるものをコントロールすることが不可欠だ。そうすることで気が散りにくくなり、集中力を高めることができる。通知やメッセージを減らすことも、注意散漫を管理する重要な方法だ。より集中できる場所を見つけよう。自宅かもしれないし、職場かもしれないし、スターバックスかもしれない。そこで働いてもいいかどうかを確認してみよう。

5) 退屈な仕事を面白く見せる

ADHDの成人を支援することを目的とした団体「The Attention Deficit Disorder Association(ADDA)」は、魅力的で美しい事務用品をそろえたり、手遊びできるおもちゃを活用したり、試験中や会議中に絵を描いたりすることで、退屈な仕事を面白くすることを提案している。

6) 充電のため、定期的に休憩しよう

1つの仕事に長時間集中するのはかなり疲れるが、短時間の休憩をとることで、仕事に戻ったとき、生産性と認知能力を高めることができる。


上記にまとめたヒントは、間違いなく集中力の維持に役立つものだが、同じくらい重要なのは、同僚とコミュニケーションをとり、ニューロダイバーシティのニーズがあることを伝えることだ。あなたは何を必要としていて、同僚はどのようなサポートができるか、話し合うようにしよう。

ニューロダイバーシティ・セレブレーション・ウィークをきっかけに、ADHDをはじめとするニューロダイバーシティの特性を持つ人々が、職場にもたらす多様な才能と視点を認識し、受け入れることは極めて重要だ。ADHDの人が持つユニークな強みを知ってそれを活用することで、組織は、イノベーション、生産性、従業員の幸福を促進するインクルーシブな環境を生み出すことができる。

forbes.com 原文

翻訳=米井香織/ガリレオ

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