欧州

2024.03.25 10:30

空中で爆発する「散弾ドローン」、ウクライナ軍が多用し始める

安井克至
重量1kg弱で飛行距離3kmかそこらのFPVドローンは、指向性弾頭を積めばさらに殺傷力が高まる。半面、それにはデメリットもないわけではない。FPVドローンはただ飛ばすだけでもスキルがいる。粉塵が舞い、慌ただしく、電波妨害(ジャミング)を受けることもある実際の混沌とした戦闘で、FPVドローンを飛ばし、しかも正確に照準を合わせるには、もっとスキルが必要になる。指向性弾頭を使う場合はなおさらだ。

スキルを磨くには経験が必要だが、ドローンの操縦士自身が敵のドローンの攻撃目標になっている場合、経験を積むことも容易ではないかもしれない。

とはいえとくにウクライナ軍が、訓練や戦場での経験を通じて、熟達したドローン操縦士を多数育成しているのも確かだ。ウクライナ側では、国内各地に張り巡らされた小さな工房のネットワークによって使い捨てのFPVドローンも大量に製造されており、その数は月に5万機以上にのぼる。

これらのFPVドローンは、爆発直前に前方搭載のカメラが捉えた全員を殺害できる、空中爆発型の指向性弾頭を積むことが多くなってきているようだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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