ソニーがライブサービスの『Spider-Man』ゲームをボツにした理由

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ソニー傘下のゲーム開発企業Insomniac Games(インソムニアック・ゲームズ)が一時開発中だった『Spider-Man:The Great Web』のトレーラーが流出し、同社がマルチプレイ分野進出への試みとしてどのようなゲームを作る予定だったかが明らかになった。その内容は、スーパーヒーローのスカーレット・ウィッチによって開かれたマルチバースを舞台に、5人の協力プレイで犯罪組織「シニスター・シックス」と戦うというものだった。

トレーラーは完成度が非常に高いものの、ゲーム内で使われているスーツなどのアセットは多くが『Marvel's Spider-Man 2』から流用されており、新しい要素はマルチバースのポータルや女性版スパイダーマンである「スパイダーグウェン」くらいだ。だがトレーラーを見た人たちからは、このゲームがボツとなりプレイできないことを嘆く声が相次いだ。

だが私は、確かにトレーラーの出来は良いとは思うものの、このゲームが成功できたかについては疑問に思っている。PlayStation向け主要ゲームシリーズのマルチプレイタイトル開発が中止されたのは『The Last of Us Online(Factions)』に続き2度目だが、今回の開発中止にもそれなりの理由があるはずだ。

楽観的な見方としては、『Ghost of Tsushima』で発売後に追加されたマルチプレイモードが予想外の良い出来だったように、『Spider-Man』のマルチプレイタイトルも、友人との白熱した協力プレイが楽しめるものになっていただろうというものがある。確かに、そうであればすばらしいことだ。

しかし私はそうではなく、悲観的な見方の方が正しかったのではと思っている。ソニーが『Spider-Man:The Great Web』で目指していたのは単なるマルチプレイではなく、多くの人々を引き付けるライブサービスとして継続的な収益を生み出すことにあったに違いないという見解だ。

もしそれが事実であり、ライブサービスの『Spider-Man』ゲームが実際にリリースされたとしたら、スーパーヒーローを題材とした最近のライブサービスゲームとしては『Marvel's Avengers』と『スーサイド・スクワッド キル・ザ・ジャスティス・リーグ』に続く3番目のタイトルになるはずだった。両作はどちらも大コケしたタイトルだ。『スーサイド・スクワッド』の発売は『Spider-Man:The Great Web』の開発が中止された後だったが、『Avengers』の失敗は危険信号となり、判断材料となったのかもしれない。
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翻訳・編集=遠藤宗生

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