『ホグワーツ』続編はライブゲームに? 直近の失敗にも学ばないワーナー

安井克至
ペレットは次に「ゲーム業界の状況が今後どのように変化していくのか、まったくわからない」と述べたが、ゲーム事業の総責任者ならば少なくとも何らかの考えは持っているべきではないだろうか。ペレットはその代わりに、何が起ころうとも、ゲーム分野で成功できる良質なIP(知的財産)をWBは持っていると豪語した。

私は個人的に、WBの新作タイトルが今後『スーサイド・スクワッド』のように収益面で大失敗するかどうかは気にかけていないが、もちろん、つまらないゲームよりもおもしろいゲームをプレイしたいと思っている。私が『ホグワーツ・レガシー』を楽しめたのは、売り切り型のシングルプレイ専用ゲームであったことが大きい。『スーサイド・スクワッド』を楽しめなかったのは、ライブサービスにしたことで、ストーリーがぐちゃぐちゃになり、世界観が破綻していたからだ。それだったら、シングルプレイ用の『アーカム』シリーズ新作や、スーパーマンを主人公にしたゲームを作ったほうがよかった。本作が失望を買っている理由はここにある。

ライブサービスゲームの分野は今まさにバブルが崩壊しつつあるが、多くの企業はそれを認めようとしない。『ハリー・ポッター』のライブサービスゲームを作って、毎年数億ドル(数百億円)の利益を上げようという考えは、確かに魅力的だ。だが、そうしたゲームがおそらく大失敗に終わり、その代わりにオフラインの『ホグワーツ・レガシー2』を作っていれば3000万本売れたかもしれないのであれば、これが間違った選択だったことに気付くだろう。あるいは、WBはそれにすら気付かないのかもしれない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事