『Starfield』がゲームプレイ改善うたうパッチ公開… ただし実際の改善はゼロ

日下部博一

KateV28 / Shutterstock.com

ベセスダ・ソフトワークスの新作RPG『Starfield』は、昨年9月の発売以来、意味のあるアップデートがほとんどなく、大きなバグやクオリティ・オブ・ライフ(ゲームプレイの快適性)面での明らかな問題を数カ月にわたって放置してきた。そして今週、そうした状況を打開するはずのベータ版パッチが公開されたが、その内容はさらなる混乱を生むものだった。

事前発表では、パッチの内容はバグ修正とビジュアル改善だと説明されていた。しかし、このたびリリースされたパッチノートの冒頭には、「クオリティ・オブ・ライフの改善」も含まれると書かれていた。

私はこれを見て喜んだが、実際の修正点のリストを読むと一転、意気消沈した。修正点の大部分は、クエストが行き詰まってしまったりする不具合の修正だった。その他の小さな修正としては、キャラクターの顔などのライティングと反射表現の改善などがある。

だが、クオリティ・オブ・ライフの改善と呼べるようなものは、一切なかった。同作には、そうした必要な改善点が山ほどある。例えば、武器や難易度のバランス調整、所持品管理の改善、宇宙船の装飾品が貨物室に強制的に移動される問題の解消、酸素消費量や所持重量の上限つり上げ、宇宙船の建造中にセーブできる機能の追加、スキルなどの割り振り変更、どんなにささいな犯罪であってもコンパニオンが激怒してしまう仕様の変更など、挙げればきりがない。

こうした修正に近いと言えるものですら、パッチには含まれていない。唯一、クオリティ・オブ・ライフの改善と言えなくもないのは、ワイドスクリーンディスプレイへの対応が改善されたことくらいだろう。しかし、それも単に技術的な要素だ。残りはバグ修正とグラフィックの改善であり、これはクオリティ・オブ・ライフの改善とは言えない。クオリティ・オブ・ライフを文字通り「生活の質」として捉えて、「クエストのバグが修正されたので、ゲーム内の生活の質が向上した」と主張するのなら話は別だが。
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翻訳・編集=遠藤宗生

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