小島秀夫の『OD』は幻のサイレントヒル新作? 予告映像に重大ヒント発見

安井克至

小島秀夫監督(DEIVIDI CORREA DE SOUZA / Shutterstock.com)

先日開かれたゲーム賞「The Game Awards」授賞式での小島秀夫監督の登場は、十数回の受賞スピーチを合わせたのと同じくらいの長さだったことで多くの人を少々いら立たせたが、同監督はその場でマイクロソフトとタッグを組み開発中の新作『OD』のトレーラーを初公開し、映画監督のジョーダン・ピールとのコラボレーションも発表した。

この『OD』が実は、小島監督がかつて制作した『サイレントヒル』関連のホラーゲーム『P.T.』を復活させたものであることを示す重要な証拠が、トレーラーから見つかった。『P.T.』は、小島監督が当時コナミと共同で開発していた新作『サイレントヒルズ』を宣伝するゲームとしてPlayStationで配信されたものの、その後ストアから削除された。現在は、当時ダウンロードしたソフトをPS内に保存している人しかプレーできない状態であるため、ゲーム業界では伝説的な存在となっている。

「The Game Awards」では、両作の関連を示す明確なヒントもあった。小島監督が登場したドアが、『P.T.』で登場するものと同じだったのだ。このドアは、『OD』トレーラーに登場した女優ソフィア・リリスの目にも映っている。

次のヒントは、ファンたちがどういうわけだか発見に至ったもので、トレーラーに登場する俳優ウド・キアの口の中に「ATAMI」の文字が隠されていた。熱海がある静岡県は、英訳すると「サイレントヒル(静かな岡)」となる。『サイレントヒル』の舞台となる町は、熱海がモデルになったともされる。また、『OD』と『P.T.』はいずれもアルファベット2文字という共通点もある。

これらが意図的なヒントなのは明らかだが、ではいったいどういう意味なのだろうか?

『サイレントヒル』のライセンスはコナミが保持しているため、小島監督は開発中止となった『サイレントヒルズ』で用意していたアイデアを復活させ、新しいオリジナル作品をつくろうとしているのかもしれない。当時練っていたホラーゲームのコンセプトがどんなものであれ、それがこの度、ソフィア・リリスをはじめとする俳優たちを使った完全なプロジェクトへと生まれ変わる可能性がある。

もちろん、今回の「The Game Awards」での発表での問題として、起用される俳優と「ゲームと映画を融合させた新しいタイプの作品」というコンセプト以外の情報がほぼ何も明かされなかったことにある。小島監督は常に自分のペースで仕事を進めるため、『OD』の発売時期はわからない。参考までに、2016年のE3で発表した『DEATH STRANDING』は、2019年11月に発売された。『OD』の発売までには、まだ時間がかかるかもしれない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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