アジア

2023.12.04

メディア弾圧進める中国、香港の著名記者が北京出張後に消息不明

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香港を拠点に中国の国防と外交を取材しているジャーナリストが、10月下旬に北京に取材旅行に出かけたまま消息不明になった模様だ。日本の共同通信が11月30日に報じた。

香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)紙の著名記者、陳敏莉(ミニー・チャン)は、10月末に開かれた中国軍部が主催する軍事会議である香山フォーラムを取材するために北京を訪れていたという。

香港最大の英字新聞社として知られるSCMPは、2015年に中国のアリババに2億6600万ドル(約390億円)で買収されていた。チャンは、2005年に同紙に入社したが、その以前は、中国政府からの圧力を受けて2021年に閉鎖された香港最大の民主派の新聞、蘋果日報(アップルデイリー)に勤めていた。

香港ジャーナリスト協会は12月1日の声明で、チャンの安否を「深く憂慮している」と述べ、SCMPにさらなる情報開示を要求したと付け加えた。

SCMPは、これに対し、書面の回答で「当紙のチャン記者は個人的な休暇をとっている。彼女の家族は当紙に対して、彼女が北京にいるが、プライベートな問題を処理するための時間が必要だと述べている」と述べた。同紙はまた、彼女の家族がプライバシーを尊重するよう求めており「これ以上公表する情報はない」と回答した。

SCMPはまた「当紙は、記者の安全確保を最重要視しており、彼らが必要とするあらゆる必要なサポートを提供し続ける。我々の報道が、この件の影響を受けることはない」と付け加えた。

中国では近年、2人の中国人ジャーナリストが北京で突然拘束された。ブルームバーグ・ニュースに勤務する中国籍のヘイズ・ファンは2020年12月に自宅アパートで拘束され、2021年7月に国家安全法違反の疑いで逮捕された。この件の捜査は現在も継続中だが、ファンは2022年1月に保釈された。

また、2020年8月には中国国営テレビで働いていたオーストラリア国籍のTVキャスター、チェン・レイが拘束され、国家機密を提供した疑いで2021年に正式に逮捕された。彼女は、中国とオーストラリアの関係が改善するなか、今年10月に釈放された。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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