経営・戦略

2023.12.13 08:00

認知度25%、日本にウェルビーイング産業は根付くのか?

鈴木 奈央
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では、生活者自らにどうやってその対価を払うことを当たり前だと思ってもらえるのか? これが、日本にウェルビーイング産業が根付いていくための大きな課題といえます。

そんななか、ミレニアルやZ世代においては、自らの価値観に従った行動、そこへの対価の支払いということへの許容度は高いと推測され、これらの世代に対するウェルビーイングビジネスは、また違った可能性が秘められていると感じています。彼らが好むサウナやシーシャ、瞑想、ヨガなどはまさにマインドフルネスで、ウェルビーイング的消費といえるでしょう。
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その若者層以外にも広く、主体的に個人としてのウェルビーイングへの自己投資のモチベーションをどう形成していくのか? そのためにいかにプロダクトやサービスをデザインしていくかが、これからの時代・社会環境の変化の中で、企業が事業を拡張していく大きなブレイクスルーポイントになってくることは 間違いないでしょう。

その前提には、「どうすれば生活者一人ひとりの多様な幸せを実現することが出来るのか?」と、自社の存在意義としてのパーパスから改めて問いていくことが欠かせません。その先にこそ、従来とは異なる発想でのプロダクト&サービスの在り方が見えてくるのだと思います。

ウェルビーイングが産業分野として従来のヘルケアやウェルネスという領域を飲み込み、大企業のみならずスタートアップも参画する日本の基幹産業となることが今の日本の再興には必要だと私は感じています。

文=藤田康人

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