マーケティング

2023.11.22 08:00

デジタルから子育てのアイデアまで。佐藤ねじの企画術

田中友梨

出村:僕も親として、これは本当に10年前ぐらいに欲しかったという感想です。本の表紙に「その手があったか! 67のなるほど育児アイデア集」とありますが、まさにその通りだなと。例として一つ、noteが拡散されて話題になった「小1起業家」について紹介していただけますか?

佐藤:当時、子どもが小1で、「ポケモンカードがもっと欲しい」とねだってきて。お小遣いが1カ月100円なので、これでは全然買えないと。で、その時に僕が子どもに提案したのが、「お金とは何をすればどのように増えていくのか?」を100円で教えてあげること。

要は金融セミナーです。実際にその講座を実施した結果、子どもが家の中でコーヒー屋さんをやるという事業を自分で考え出しました。その一連のエピソードをnoteにまとめたら、結構拡散してもらえたんです。

出村:うちの子が今小学5年生なので、リアルタイムに興味深くそのnoteを見ていました。僕が思うこのエピソードのいいところって、子どもの強みは忙しい大人より時間があることなので、ちゃんと手間をかけた美味しいコーヒーを価値として生み出せるという点なんですよね。

で、出村家にも2人の男の子がいるので、真似してみたんですよ。そうすると長男はちゃんと帳簿をつけて、持っている小遣いで豆も仕入れて、メニューを自作して店をまわしてました。そうすると、それを見ていた3つ年下の弟が真似をして、同じ家の中で2号店をつくったんですけど、「うちは一杯0円です」ってぶっ込んできて。

佐藤:いいな〜、めっちゃ可愛い。

出村:儲けを無視した暴挙的なマーケティングをかましてきたんですが、結果として長男が次男を雇う形で落ち着いて。淹れる作業だけ20円でやらせたりしてました。

佐藤:面白い話。ぜひnoteにまとめて欲しい。

出村:こうやってどの家庭でも参考にできるアイデアが、この「子育てブレスト」には67個収録されているんですよね。

気になるものの一つが「顔ハメ絵本」。大きめサイズの絵本の真ん中に穴が空いていて、顔はめパネルみたいに親が顔を出しながらストーリーが読めるというもの。これもフレームワークになってるから、物語を横展開できるのが素晴らしいです。
顔ハメ絵本
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文=出村光世

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