超大作ゲーム『Starfield』 レビュアーのリークに開発元が憤り

安井克至

Miguel Lagoa / Shutterstock.com

ゲーム大手ベセスダは先週、最新作『Starfield(スターフィールド)』の発売までまだ2週間もある段階で、レビュー用ソフトをさまざまなコンテンツクリエイターやメディアに配布した。これは、同社としてはかなり異例だ。

これほど早く大量にレビュー用ソフトを配布すれば、当然ながらリークも出てくる。だが、どんなにささいなものであっても、ベセスダはリークを許容できないようだ。

同社の広報部門幹部マット・フレイリーはX(旧ツイッター)への投稿で、次のように苦言を呈した。「私がリークが好きではないことは、誰もが知っている。メディアが誰かのリークを報じることは、もっと好きではない。大手メディアがリークを報じることで、自らに課された情報解禁日を迂回することは、本当に好きではない。たとえそのリークが、ささいで無意味かつ不正確なものであっても」

フレイリーがどのリークに言及しているのかはわからないが、この週末には、同作のタイトル画面が流出し、非常にばかばかしい騒動を引き起こしていた。画面に映っていたのは、1個の惑星とゲームのロゴ、そしてメニューのみ。これがフレイリーのいう「ささいで無意味」なリークだったのかもしれない。

このリークをめぐり、『ディアブロ2』の元開発者で、数年前に『Firefall』の開発元Red 5 Studiosを解雇されたマーク・カーンのコメントがネット上で炎上した。カーンは、タイトル画面のシンプルさは「性急な発売締め切り」や「心づかいのなさ」を表しているとXに投稿。さらに、XboxとPCで限定発売される『スターフィールド』をプレイできないPlayStationファンの一部も、このリークに便乗して同様の指摘をした。

もちろん、これは非常に愚かなコメントだ。ネット上では多数の人が、『スカイリム』や『エルデンリング』などのゲームのタイトル画面を投稿し、タイトル画面のシンプルさなど誰も気にしていないことを示した。

これ以外で筆者が唯一目にしたのは、あるクリエイターがDiscordで共有したゲーム序盤15時間の感想のリークだ。さらにストーリーの一部も流出したらしいが、筆者はそれを読んでいないし、読むつもりもない。

多数のレビュー用ソフトが長期間にわたり出回っているため、これはある意味、避けられないことではある。それでも、ベセスダが今回の問題を受け、この非常に良いレビュー版配布方法を変えないことを願う。リーカーは徹底的に叩かれるべきだが、今回の配布方法は、レビューに必要な時間を十分に確保できるすばらしいものだ。

レビュー解禁は、米東部時間の8月31日正午(日本時間9月1日午前1時)。その後、同日中にはアーリーアクセス権購入者のプレイ開始が可能になる。一般発売は9月6日だ。

レビュー解禁前には、どんなにささいな感想であれ、タイトル画面などのスクリーンショットであれ、公開は許されない。というのも、今回の件でわかったように、このような超大作の場合、ちょっとした情報にも人々がすぐさま反応し、タイトル画面だけでくだらない騒動を生み出してしまうからだ。

今後10日間で、これ以上のリークがないことを祈りたい。もしあったとしても、大きなものではなく、小さなものであることを願う。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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