AI

2023.06.16 08:30

Box共同創業者が語る、「AIが掘り起こす社内に眠る宝」

──AIが世間に浸透したことで、データへの考え方にも変化が出てきています。折に触れて「データ・ライフサイクル(データ周期)」について言及していますね。このコンセプトについては、どう理解すればいいのでしょうか。
 
Boxでは、「コンテンツ」は一定のライフサイクル(周期)をたどるものだと考えています。つまり、コンテンツは取り込まれ、保存され、保護されるー。ワークフローの自動化やコラボレーションなども、そのライフサイクルをより強固なものにします。Boxのプラットフォームはこのような機能をすべて備えており、ライフサイクルをカバーしています。それがAIによって、ファイルでのコラボレーションやワークフローの自動化、情報の整理などをより容易にするでしょう。すべての情報をより価値のあるものにし、社内で手つかずになっているデータの潜在能力を引き出すためにも、AIはBox製品の根幹をなすものになると考えています。

──OpenAIと提携して「Box AI」を開発すると発表しました。大手テック企業や他の生成AI開発企業ではなく、OpenAIと組むことを選んだ理由は?

OpenAIは、AIモデルのインテリジェンスと洗練度において、今世界で最も先進的な生成AI開発企業です。Boxでは、世界最高のAI技術を提供したいので、それを可能にするOpenAIと提携しました。今後は、他のパートナー企業の製品もBoxのプラットフォームに統合していく予定です。じつは最近、グーグルとの提携も発表しています。それでも現段階では、OpenAIがこの分野で最も先進的なテクノロジーをもっていると考えています。

──Box AIは開発中で、まずは一部の顧客企業に提供し始め、近い将来、すべての顧客に提供すると発表しています。念頭にある製品ローンチのロードマップについてもう少し教えもらえませんか。

戦略としては、まずはOpenAIとのパートナーシップから始めますが、徐々に他のパートナーとも提携していくつもりです。ある段階で、さまざまなパートナーからのAIのブレークスルーを、私たちのお客様にお届けできるところまでいきたいですね。

AIが強力な理由は、さまざまなプレーヤーから主要なAIモデルを取り寄せて、すべてのお客様に提供できることです。コンテンツマネジメントという会社の特質から、私たちはそれができる、本当にエキサイティングな立ち位置にいると考えています。製品ロードマップとしては、徐々に製品にAI機能を組み込んでいく予定です。

最近発表したものは、ファイルの内容についてAIに質問をしたり、ドキュメントの中の情報を取得したりする機能です。しかし時間の経過とともに、Boxのプラットフォーム上でAIを活用する方法は他にもたくさん出てくると考えています。
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文=井関庸介 写真=ボックス提供

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