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2023.05.11 09:00

後発だから差別化できた 「M&A総研」が創業1日目から意識したこと

露原直人
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M&A総合研究所 代表取締役CEO佐上峻作

「DX・AIを駆使したテクノロジーによりM&A業界を変革する」をビジョンに掲げ、急成長を遂げるM&A総合研究所。創業3年9カ月で東証グロース市場への上場も果たし注目を集めている。同社代表取締役CEO佐上峻作氏が語る起業家の素養、事業成長のポイントとは?DIMENSIONビジネスプロデューサーの下平将人が聞いた。(全3話中3話)

第一話:3年9カ月で上場 M&A総研CEOが語る、起業家にとって重要な素養
第二話:営業も採用も「数字で語る」が必要 M&A総研の組織論


Day1からDXし続けてきた

──M&A仲介の後発企業として、ここまで圧倒的な優位性を作るに至った思考があればお聞かせください。

とにかくお客様のことを考えて会社を経営することです。

私自身、会社売却を経験した身ですが、その際の仲介会社の料金の不明瞭さやスピードの遅さに大きな課題を感じました。

ですから、それを全て解決できるサービスを提供してお客様に満足していただくこと。これが根幹だと思います。

あとは、人を動かすのは最後は「感情」だということ。

完璧なロジックでメリットを訴求しつつも、最後はお客様のことを思って真剣に取り組んでいる、という思いの部分があるのとないのとでは全く違います。

嘘をつかず、お客様のことを思って真剣に向き合う。そういった紳士的なスタンスが良いウワサを呼び、結果的にお客様が集まるようになっているのだと思います。

──なぜ競合にできなくて、貴社にできるのでしょうか?

根本的なシステムの差だと思います。

我々はシステムを全て自社開発しています。ゼロから自力で作っているからこそ、いまでも毎日改修を繰り返しています。最初の1年くらいは本当にシステムのバグを直し続ける日々でした。

自社に優秀なエンジニアがいること、そして創業1日目からシステムをひたすら磨き続けることは、簡単に真似できることではありません。既存の汎用システムを導入している企業はスイッチングコストが膨大になるからです。

汎用システムでは私たちのシステムを再現することは不可能ですし、結果的に当社の大きな競争優位性に繋がっています。この発想は私がM&A業界出身ではなく、エンジニア出身だからこそできたことだとも思います。

「誰にも損をさせない」ことが唯一の道

──創業から3年9カ月で上場され、何か起業家として意識の変化はありますか?

やはり全てのステークホルダーが、当社に関わったことによって喜んでもらう、ということを改めて意識しています。お客様や従業員はもちろんのこと、投資家も含め誰にも損をさせないことです。

自分だけが得をしようとすることは、誰かが必ず損をしているということです。嘘をつかないこと、関わる人全員に得をしてもらうこと。長期的に考えればこれ以外に道はないですし、これからも考え続けていくのだと思います。

──今後のチャレンジをお聞かせください。

自分の世代で、時価総額数兆円規模の会社を作りたいと思います。同世代の優秀なメンバーと一緒に、それぐらいの規模感を目指して行きます。

私たちは本気でDX・AI技術を推進した結果、人材に多くの先行投資をしていても利益が出せていますし、本当に価値のあるサービスだからこそお客様にもメリットを提供できています。

M&A業界と同じように非効率な他業界でも、私たちを参考にする起業家が一人でも増えてくれたら、日本社会はもっと良くなるのかなと思います。

文=下平将人 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc.

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