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2022.07.31 11:00

ニューヨークの果樹園、「大麻ビジネス」が存続の切り札に?


一方で課題もあると、バルショウィッツは言う。大麻飲料を提供する「ラウンジ」に関するルールが確立されていないため、仲間と飲める公共の場は今のところ存在しない。また、調剤薬局には冷蔵庫がない場合があるので、冷えたドリンクを販売するための小売インフラを整備する必要がある。

ビジネスを分ける理由


ニューヨーク州は2021年に大麻を合法化した。2022年5月には、ブレナンの会社を含めて100の業者が、それぞれ1エーカーの大麻栽培ライセンスを取得した。

ブレナン家は、大麻事業を「Gen 5 Labs and Gen 5 Grow」として法人化し、リンゴ事業から切り離した。栽培も、別の土地でおこなっている。「2つの事業を混ぜることで、連邦法上の問題を抱えたくない」と、ブレナンは言う。連邦レベルでは、大麻は依然として違法であるためだ。

大麻の成長は速く、8週間で花を収穫できるようになる。ブレナンによれば、同社は最初の作付けを6月第1週におこなったので、今年中に2度の収穫を得られる可能性がある。1度の栽培周期につき、1エーカーから約1500ポンド(約680kg)以上の大麻を収穫できる見通しだ。

同社が栽培する大麻は「抽出グレード」だ。これは、THC濃度を限界まで高めた、食品や飲料の製造に適した品種であることを意味する。夏に高温多湿になる北東部では、乾燥させて喫煙するタイプの大麻草の花を生産するのは「より難しい」と、ブレナンは説明する。

市場はまだ発展途上


ニューヨーク州では、2022年末までに最初の小売店がオープンする予定だが、「すべてのハードルが取り払われたわけではない」のだと言う。新たなルールも作成される必要がある。例えば、包装に関する規制がまだ制定されていないため、本来ならば「数週間以内に原料調達に取り掛かりたいのだが、(規制内容が確定するまで)それができずにいる」と、ブレナンは述べた。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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