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2022.07.15 09:30

「最も高価値なeスポーツ企業」TSM創設者がパワハラで謹慎処分

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Getty Images / アンディ・ディン

人気ゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」で知られるゲーム会社ライアットゲームズは7月13日、eスポーツの有力プロチーム「TSM」の創設者でCEOのアンディ・ディンを処罰すると発表した。ディンは、プロ選手や従業員たちから、パワハラを告発されていた。

TSMは、リーグ・オブ・レジェンドを含む人気ゲームのプレイヤーたちを管理している。ライアットゲームズは、調査の結果、ディンの不正行為が数年にわたることが判明したため、TSMに7万5000ドル(約1000万円)の罰金を課し、ディンに2年間の保護観察を言い渡した。

現在30歳のディンは、2009年にTSMを設立し、eスポーツのコミュニティでは「Reginald」のハンドルネームで知られている。元リーグ・オブ・レジェンドのプロ選手である彼は、フォーブスの「30アンダー30」にも選出されていた。

フォーブスは今年、TSMを最も価値の高いeスポーツ企業に選出し、その価値を5億4000万ドル(約745億円)と試算していた。

TSMは5月にディンに対する調査を完了したと発表し、「違法行為はなかった」としながらも、ディンに対するリーダーシップトレーニングを含む是正措置を推奨していた。

ゲーム業界の有害な職場環境についての告発は、他の企業でも相次いでおり、12月にはライオット・ゲームズ自身が、男女差別をめぐる集団訴訟で1億ドルで和解した。また、マイクロソフト傘下のゲーム大手アクティビジョン・ブリザードも、セクハラ訴訟で1800万ドルの和解金を求められ、3月に裁判所がこれを承認していた。

リーグ・オブ・レジェンドのプレイヤーの団体であるLeague Championship Series Players Associationは、今回の決定を「有害な職場の真の変革に向けた一歩」として称賛しつつ、「今後も警戒を怠らない」と強調した。

編集=上田裕資

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