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2022.07.13 19:00

韓国のゲーム企業「ライオンハート」創業者がビリオネアに

Getty Images

韓国のゲーム開発会社「ライオンハートスタジオ(Lionheart Studio)」の創業者のキム・ジェヨンが、インターネット大手のカカオから9億2500万ドルの投資を受けたことで、ビリオネアの仲間入りを果たした。

カカオのゲーム部門カカオ・ゲームズ・ヨーロッパは、6月末にライオンハートを約30億ドルと評価し、株式30.37%を約9億2500万ドルで取得した。この株式の大半は、ライオンハートの34.67%に加え、カカオ・ゲームズの2.87%を保有するキムから購入したものだ。フォーブスは、ライオンハートの会長兼CEOのキムの保有資産を17億ドルと試算している。

ライオンハートが開発し、カカオゲームズが配信したゲーム「オーディン(Odin)」は、昨年6月に韓国で発売されて大ヒットを記録。3月には香港、マカオ、台湾でもリリースされ、今年後半には日本でのリリースを準備中という。

オーディンのヒットにより、昨年第3四半期のカカオゲームズのモバイルゲーム売上は前年同期比359%増の約3億1500万ドルとなり、過去最高を記録した。このゲームですべての収益を上げているライオンハートの2021年の収益は2326億ウォン(約233億円)で、損失は前年の254億ウォンから1507億ウォンに拡大した。

ライオンハートはIPOの準備を進めており、アナリストは同社の評価額を8兆ウォン(約8000億円)と試算している。同社のIPOは、昨年8月に韓国取引所で38億ドルを調達したクラフトン以来で最大規模の韓国のゲーム会社の上場になる見通しだ。

キムは、カカオゲームズと韓国のブロックチェーンゲームの先駆者であるWemadeから出資を受けて、2018年にライオンハートを設立した。カカオゲームズは現在、ライオンハートの過半数を保有しており、Wemadeは4.23%を保有している。

NH Investment & Securitiesのアナリストは、「今回の株式の取得は、カカオゲームズが本格的に世界市場を狙うきっかけになるはずだ」と述べている。

ライオンハートの前に、キムは2012年に別のオンラインゲーム会社「アクションスクエア」を共同創業し、2015年にSPAC(特別買収目的会社)を通じて韓国取引所に上場させていた。ソウルの漢陽大学で機械工学の修士号を取得したキムは、日本のゲームメーカーのコーエーや、韓国のネオウィズ(Neowiz)で働いた経験を持つ。

韓国のゲーム業界では昨年、人気ゲーム「PUBG」で知られるクラフトンの創業者のチャン・ビョンギュに続いて、Wemadeの創業者のパク・クァンがビリオネアになった。他の韓国のゲーム業界のビリオネアとしては、NCSoftのキム・テクジンやNetmarbleのバン・ジュンヒョク、NHN エンターテインメントのイ・ジュノ、Pearl Abyssのキム・デイル、Smilegateのクォン・ヒョクビンらが知られている。

編集=上田裕資

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