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2021.07.14 12:15

ソフトバンク出資の韓国の食品マーケットプレイス「Tridge」の躍進

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Getty Images

ソフトバンクが支援する韓国の食品および農業のマーケットプレイス「Tridge」は、新たな資金調達ラウンドで6000万ドル(約66億4000万円)を調達し、1年間で評価額を3倍以上の5億ドルに引き上げた。

Tridgeによると、今回のラウンドでは既存出資元の韓国のベンチャーキャピタルForest Partnersが単独で投資を行ったという。同社は今回の調達資金を、梱包や倉庫施設の拡張に使用し、パンデミック後の需要の拡大に対応するという。

Tridgeは昨年4月、Forest Partners、米国のActivant Capital、ソフトバンクベンチャーズアジア(SBVA)から評価額1億4000万ドルで1100万ドルを調達した。同社は2019年にも、SBVAから550万ドルを調達していた。

ソフトバンクは近年、韓国の複数のスタートアップに投資しており、5月にはAI家庭教師アプリの「Riiid」に1億7500万ドル、4月にはコンテンツ・ローカリゼーション・サービス・プロバイダーの「Iyuno-SDI」に1億6000万ドルを出資した。

また、フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道によると、ソフトバンクのビジョン・ファンドは、韓国のホテル予約プラットフォーム「ヤノルジャ」の株式10%を8億7000万ドルで取得する予定という。

元ドイツ銀行のHoshik Shinが2015年に設立したTridgeは、150カ国以上の農家と世界中の食品バイヤーを、中間業者を介さずに結びつけるオンラインプラットフォームで、社名の由来はトランザクション・ブリッジであるとされている。Tridgeが扱うプロダクトには、果物や魚介類、コーヒー豆などが含まれる。

パンデミックによる物流の混雑や渡航制限により、バイヤーやサプライヤーは商品の調達のための別の方法を探さなければならず、Tridgeの需要は急増した。

「バイヤーたちは、実際に会ったことのない相手との取引を迫られたが、そこにはリスクが伴う。当社のプラットホームにおいては、当社の担当者がサプライヤーと取引を行うため、バイヤーはリスクを回避できる」と、Tridgeのオペレーション担当者は述べた。

Tridgeは昨年、AIやデータ分析、アルゴリズムを活用し、食品バイヤー向けに市場動向レポートを発行するマーケットインテリジェンスサービスを開始した。また、同社はフルフィルメントサービスも提供し、ドア・ツー・ドアの配送を行っている。

Tridgeによると、これまでにウォルマートやネスレ、ケロッグなどを含む5万人のバイヤーが、同社のマーケットインテリジェンスとフルフィルメントサービスを利用したという。Tridgeの最大の収益源であるフルフィルメントサービスからの売上は、年末までに3億ドルに達する見通しだと、同社は声明で述べた。

編集=上田裕資

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