テクノロジー

2019.06.26 10:30

「怪しいサイト」を即座に警告するChromeの新拡張機能の実力

Rzt_Moster / shutterstock.com

グーグルは先日公開したChromeの新たな拡張機能を用いて、ユーザーから不審なサイトの情報を集め、セキュリティの向上に役立てようとしている。グーグルは2007年にセーフブラウジング機能を立ち上げ、グーグルのChromeやオペラ、Vivaldiなどを利用中のユーザーを危険なサイトから守っている。

セーフブラウジング機能はグーグル広告が危険なサイトを表示することを防ぎ、検索結果から取り除き、Gmailの受信箱に悪意を持つサイトのURLが入り込むことを防ぐ。

しかし、ハッカーらは多種多様なサイトに悪意を持つマルウェアを仕込んでおり、グーグルの力を持ってしても、脅威を完全に取り除くことは難しい。

そこで活用されるのが、グーグルが先日提供を開始したChromeの拡張機能「Suspicious Site Reporter」だ。この拡張機能をインストールすると、詐欺の可能性があるサイトでアイコンに警告が表示される。ユーザーがそのサイトを危険だと判断した場合、その場で問題をレポートして、グーグルに危険を知らせることができる。

ただし、Suspicious Site Reporterは問題を自分でレポートする意志のない人にとっても非常に助かるツールだ。

詐欺サイトの中には、go0gle.comというような紛らわしいURLで利用者を騙したり、ミスタイプで開いてしまうような1文字違いのURLを用いているケースがある。Suspicious Site Reporterはそのようなサイトを表示する際に警告を発する。

また、過去数カ月に渡り誰も訪問していないサイトでも警告が発せられる。警告はアイコンの色の変化で通知され、クリックすると不審なサイトであると判断された根拠が表示される仕様だ。

Suspicious Site Reporterは、利用者に情報を与えるのみでそれ以上の防御機能を与える訳ではない。しかし、意識の高いユーザーが危険情報をグーグルに提出することで、グーグルの利用者全員がメリットを得られる点で、非常に意義深いサービスといえる。

過去に怪しいサイトに遭遇し、それをグーグルに通報したいと考えたことがある人は、この拡張機能を利用してみるべきだ。Suspicious Site Reporterが利用できるのは現状ではChromeのみだが、グーグルはソースコードを開示しており、遠くない将来に他のブラウザでも利用可能になりそうだ。

編集=上田裕資

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