真逆の発想が生んだアプリ、「ToDon'tリスト」でメンタル改善?

ToDon't App

かつて、スティーブ・ジョブズはこういった。「最も重要な決断は、何をするかを決めることではなく、何をしないかを決めることだ」

多くの人は仕事や学習を行う上で、やることを決める「ToDoリスト」を作ものだが、「やらないこと」をリストアップするアプリ「ToDon’tリスト」が注目を集めている。

このアプリを開発したのはBurrowという家具メーカーで、かつて「カウチポテト」というアプリで世間を爆笑させた。カウチポテトはその名の通り、自宅のカウチ(ソファ)の上でぐったりしている時間を測定する、全く役に立たないアプリで、「従来のフィットネスアプリの真逆の発想を形にした」として話題になった。

今回の「ToDon’tリスト」もおバカながら少し実用的で、話題性を兼ね備えている。機能といえば、やめようと思っていることをリスト化するだけだ。夜中に泥酔して別れた奥さんに電話することや、ジムでエクササイズしている様子を大量にフェイスブックに投稿すること、イケアで寝てしまうなど、やるべきでないことをただ記入していくのみ。

リリースにあたり、Burrowとアプリ開発企業のMSCHFは次のように述べた。「ToDon’tリストの開発に当たっては、ただの生産性向上アプリにするのではなく、人々の暮らしを変えるようなインパクトを与えたかった」

彼らは20人の大学生に最低5件のToDon’tリストを作成させ、1週間アプリを使用させてみたという。そして、彼らの感情面の変化を調べたところ、20人中19人が「メンタル面が改善した」と答えたという。

彼らがやらないと決めた項目には、「18時以降はメールを確認しない」「砂糖を口にしない」「ソーシャルメディアを見すぎない」といったものが含まれていた。ToDoリストは人々に精神的プレッシャーを与えることもあるが、ToDon’tリストには生活をシンプルにして不安を緩和する効果があるのかもしれない。

ToDon’tリストはiOSの無料アプリとして提供されており、驚くべきことにグーグルのChromeのプラグインも用意されているという芸の細かさだ。

この記事を読んだ人の、ToDon’tリストの中に「もうこれ以上無駄なアプリをダウンロードするのはやめたい」というのが含まれていないことを願いたい。





編集=上田裕資

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