ビジネス

2017.07.04 17:00

小売業の将来を担うのは実店舗、証拠となる5つの事例


3. アマゾンがホールフーズを買収

アマゾンは先ごろ、売上高で米国内30位のホールフーズを買収すると発表した。「アマゾンブックス」や「アマゾンゴー」など、実店舗の展開を推進するアマゾンが約460店舗を持つホールフーズを150億ドル(約1兆6900億円)で買収することは、実店舗の経営についてアマゾンが大きな賭けに出たということを示す。

4. 若い消費者は「店舗」を好む

市場調査会社CBREによると、世界のミレニアル世代(1980~2000年前後生まれ)の70%が実店舗を好む。また、コサルティング大手アクセンチュアの調査によれば、米国ではZ世代(1990年代半ば~2000年代初頭生まれ)の77%以上が、実店舗での買い物を好んで選ぶという。

米国ではすでに、最大の消費者層はベビーブーマーではなくミレニアル世代となっている。さらに、アクセンチュアによるとミレニアル世代の人口は約8000万人。年間の消費支出は約6000億ドルに上る。一方、NRFとIBMの調査結果によれば、2020年には26億人に達するZ世代の購買力は、440億ドル程度になると予測されている。

5. 姿を消すネット通販専業

ウォルマートをはじめとする従来型の小売業者が、相次ぎネット通販専業の企業を買収している。デジタル・シンクタンクのL2はその理由として、ネット通販専業のビジネスモデルには存続能力がないことを挙げている。

それは、例えばインターネット上には店に足を踏み入れる「人の流れ」がないことが原因だ。実際の店舗は有機的な人の流れを作ることができ、そして来店者の増加はブランド資産価値の増大につながる。アマゾンなどのネット通販専業の企業が実店舗の開設に向けて競い合うのは、そのためだ。これらの企業は、「実店舗が存在することの価値」をいち早く認識したということだ。

編集=木内涼子

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