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2017.02.03 09:00

株価70%安でもFitbit株が「買い」ではない2つの理由


Fitbitの属するいわゆるウェアラブル業界は成熟しているように見える。調査会社IDCによれば、世界のスマートウォッチ市場は2016年の第3四半期(7~9月期)に51.6%落ち込み、販売個数は270万にとどまった。さらにこの低迷市場で、アップルやグーグルなどとの激しい競争がある。

この動きは、今後の需要だけでなく価格設定も厳しくなることを示唆している。米国みずほ証券のベティー・チェンは「予測可能な見通しとして需要の低下と(平均小売価格への)圧力」が生じると予想している。

さらに、米市場が成熟していると考えている彼女は「ウェアラブル部門の成熟は、同社が今後、製品のアップグレードおよび新製品に依存するようになることを意味する。また海外での広まりが予想を下回るペースで、マーケティングおよびインフラへの投資によって国内市場の弱さを埋めることができない可能性を示唆している」

オーバーバリュー

投資信託の評価を手掛けるモーニングスターは、Fitbitの株は業界内の平均的な競合ほど高く評価されていないとしている。例えば同社の株価収益率(13.5)と株価売上高倍率(0.6)はそれぞれ、業界平均の25.8と2.6を下回っている。だが“さらに小型になる可能性”と営業利益率の低さ(業界の14%に対して8%)から、投資家たちが同社の株をオーバーバリューしている可能性がある。

Fitbitが今後、予想を上回る収益をあげることができるかどうかは、高価格で大量に売れる新商品を導入できるかどうかにかかっている。

市場シェアの拡大

その点においてFitbitにとって好材料となり得るのが、市場リーダーとしての位置づけだ。IDCによれば2016年第3四半期、Fitbitは「チャージHR(ワイヤレス心拍計・活動量計リストバンド)の後継機チャージ2を発表したことで再び市場リーダーに返り咲いた」という。IDCは「長期戦略や株価にまつわる否定的な評価はあるが、短期的には同社が今後もリーダーであり続ける」と予想している。

だがこの業界の製品サイクルは極めて短く、同社が新たに成長路線に乗れるかどうかは、競合よりもはるかに優れた新商品を発表できるかどうかがカギとなる。同社の株を今、買うべき理由があるとすれば、スポーツ用品大手による買収の可能性がある場合だろう。だが残念ながら、ナイキのような企業が同社を買収することで、より多くのスニーカーを売ろうとするとは思えない。

編集=森 美歩

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