ビジネス

2016.12.21 08:30

コーヒー1杯に12ドル スタバが挑む高級チェーン、業界改革なるか


市場がシュルツのビジョンに合わせて成熟しているのは確かだ。全米コーヒー協会によると、若い世代の間では、新しいコーヒー飲料や製法に対する関心が高まっている。昨日コーヒーを飲んだ場所を問われると、18~39歳の消費者のうち約半数が自宅以外だったと答えたという。スペシャルティコーヒーの売り上げが年20%の割合で増加しているのも不思議ではない。

だがそれでも、1杯5ドルと12ドルの差は大きい。ターゲット顧客層を獲得するには、個人的な道楽として気兼ねなく楽しめるような、新しい贅沢なカフェ空間を作り出す必要があるだろう。そのためには、感情に純粋に訴えるような方法で客の感覚を刺激する環境作りが必要だ。クラフトカクテルで言えば、頑張った自分へのご褒美として気が休まる環境で息抜きをしたり、友人と祝賀パーティーを開いたりするような場所作りがこれに相当する。

さらに、「優越感」も魅力の一つであることは否定できないだろう。コーヒー1杯に12ドルも払える自分は「違いが分かる」人であり、他人とは違うことを楽しめる人なのだ。5ドルのブレンドコーヒーをテイクアウトするために7分並ぶこともいとわない人は多いが、さらに自分が特別だという感覚を得られるのであれば、その倍の額を払わせることもそう難しくはないだろう。

ロースタリーの成功は、店内でいかに素晴らしい体験を提供できるかにかかっている。スタバが過去にコーヒー体験を別次元に昇華させたように、1杯10ドルのラテを受け入れさせるには、価格に見合う体験が伴わなくてはいけない。コーヒーもクラフトカクテルのように、ミステリアスでマジカルな存在になれる可能性がある。シュルツがこれに成功すれば、あと5年かそこらで、ジャワコーヒー1杯に12ドルを支払うことがそれほどばかばかしいことではなくなるかもしれない。

翻訳・編集=遠藤宗生

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